このブログは、山吹あららの「デッサン手習い」ドキュメントです。 2014年から、熱血!デッサン塾で連載されたものを転載しました。彼女のマンガ・イラストレーターの持ち味を生かして、少々オーバーに面白おかしく演出されてはいますが、読みやすいブログになっている気がします。
マンガ・イラストレーターとして仕事をし続けていた山吹あらら、でもデッサンに出会って、戸惑い、悩みながら上達していく経過は、これからデッサンを始める方にとって、良い参考になるのでは?と思いました。お役に立てれば幸いです。
ノビ子と申します。
「師匠」こと夫に2008年からデッサンを習っています。こう見えてわたし、イラストレーターなのです。なんと20年以上もやっております。
美術大学にも行かず独学で続けて来たため、「基礎が出来てないから、私はきっと空洞化したクリエイターなんだ。」と思い込んでいます。自分にイマイチ自信が持てないのも、基礎が無いからだと。デッサンをやることで、その空洞を埋めようとしています。
夫は東京藝術大学を出た「基礎が出来てるから、土台がしっかりしているはず」のクリエイターです。私が必死にデッサンを学び、彼を「ぎゃふん」と言わせる事ができれば、私の心の空洞も無くなる筈です。きっと自信に満ちたクリエイター人生を歩めるはず。目標は「東京藝術大学に入れるくらい上手くなること」です。
修行の旅はまだまだ続きます。
デッサン奮闘期01. 初めてのクロッキー(デッサン暦0ヶ月)
山吹あららが習いに来たのは、2008年の春、彼女が34歳の時でした。 高校卒業後、すぐイラストや漫画を描く仕事に就いた彼女ですが、誰にも絵を習った事はなく、独学で仕事を続けてきました。自分の絵に足りな…
デッサン奮闘期02. 初めてのモデルデッサン(デッサン暦3ヶ月)
マンガを長く描いていた山吹あららは、線で人物を描くことに慣れています。しかしデッサンでは、立体感、光、質感などを総合的に描き出します。その違いに彼女は戸惑っています。 デッサン奮闘期02…
デッサン奮闘期03. プロポーションが取れない(デッサン暦6ヶ月)
形を簡略化して、大きな部分から順番に、細かい形を当て嵌めていくというデッサンの描き進め方は、何度も描いて経験しないと、なかなか身に付きません。 デッサン奮闘期03 デッサンを始めて6ヶ月経った2008…
デッサン奮闘期04. 塗り絵方式(デッサン暦8ヶ月)
人物は、形を描くことだけでも簡単ではありません。最初は、形を追うだけでも必死になります。形が描けたら、次は塗るという段階を経て、徐々に形と明暗を両方考えながら描けるようになります。 デッサン奮闘期04…
デッサン奮闘期05. 線禁止令(デッサン暦12ヶ月)
マンガを描いている人には、線に対するこだわりが強い傾向があるようです。そのバイアスが強い余り、線以外に意識が向かいにくく、なかなか彼女の中にデッサンの考え方が入って行きません。とうとう私は、「線を使わ…
デッサン奮闘期06. ぼやぼや人物(デッサン暦1年)
上手くなるには、とにかく描くこと。これは、昔から言われてきたセオリーです。彼女はとにかくクロッキーをたくさん描いていくことにしました。 デッサン奮闘期06 デッサン暦1年経った2009年4月。(ノビ子…
デッサン奮闘期07. 師匠、ヤサ男になる(デッサン暦1年2ヶ月)
固定観念、バイアス、偏見、色々な言い方がありますが、自分が思うより強く、自分の心に刻まれているのかも知れません。彼女のマンガ的バイアスもそのようで、何を描いてもマンガっぽくなります。(今回は、私的には…
デッサン奮闘期08. 師匠、マッキーになる(デッサン暦1年4ヶ月)
クロッキーにも慣れ、少しずつ描く対象の特徴を捉える余裕が出てきました。槇原敬之氏のことが、文中に登場しますが、個人的感想で、面白おかしく演出する性とでも思って、適当に読んでいただければ有難く思います。…
デッサン奮闘期09. 色彩ドローイング (デッサン暦1年3ヶ月)
このクロッキーは、私が予備校で習っていた頃に、松本さんという名物講師が行っていたもので、とても大きな気付きを与えてもらいました。ただ、色というものは、操作しようとすればするほど感じられなくなり、分から…
デッサン奮闘期10. 実世界は太くて短い! (デッサン暦1年7ヶ月)
とうとう、山吹あららに大きな気付きが訪れました。リアルな私は、それほど格好良いものではない、マンガは理想化されたものだと分かったようです。 デッサン奮闘期10 デッサン暦1年7ヶ月の2009年11月。…
デッサン奮闘期11. 初めて自然に描けた!(デッサン暦1年9ヶ月)
先入観なく、素直に見るということは、思ったより難しいことなのかも知れません。山吹あららのデッサンは、がらりと変わりました。素直に見ることが出来たら、正に、世の中が変わって見えたということです。 デッサ…
デッサン奮闘期12. やっぱりカラーは苦手 (デッサン暦1年10ヶ月)
色は苦手と意識してしまったことは良いことではありませんが、彼女は何とか攻略していこうと試行錯誤しています。 今は、過渡期と言うべき時期です。やはり実験精神と行動力こそが、出来るようになる唯一の方法だと…
デッサン奮闘期13. 中身を描く (デッサン暦2年)
見えてくると、描けてくる。これも、昔から言われているセオリーです。デッサンは、描く技術では、見る技術なのかも知れません。 デッサン奮闘期13 デッサン暦2年の2010年4月。 ついに2年経ちましたよ。…
デッサン奮闘期14. 透明感のある肌って何よ?
形と明暗が出来るようになってきたので、次の目標になってきたのは「質感」でした。人物で「質感」といえば、肌感、理想的には「透明感のある肌」。大切なテーマであり、難しいテーマでもあります。 デッサン奮闘期…