山吹あららが習いに来たのは、2008年の春、彼女が34歳の時でした。
高校卒業後、すぐイラストや漫画を描く仕事に就いた彼女ですが、誰にも絵を習った事はなく、独学で仕事を続けてきました。自分の絵に足りない所があるのには「基礎が出来てないからだ」と思って、デッサンの勉強をする事にしたとのこと。私が「東京芸大卒の先生なので、超ビビった」そうです。
デッサン奮闘期01
デッサン暦0ヶ月
私が始めて描いたのは「ムービングクロッキー」というものでした。師匠が目の前でヨガのポーズを取ってくれるので、それを見て早描きするんです。ポーズ時間は十数秒なので、慌てながらも頑張って付いていきましたよ。
でも私の描いたクロッキーに対して師匠は「線だけで描かない」「もっとザックリと全体を捉えて、中身を追って行って。」と言うのです。線で描かないって…どうやって描くの?中身って何よ?
漫画ばかり描いていた私は、物の形をアウトラインで描く事しかできません。デッサンの概念は全くピンと来ず、これから漫画脳の自分に苦労させられる日々が続くのでした…
つづく。