最初の通信は、デッサン講評から始めます。卵のデッサンです。
↑Aさん
↑Bさん
Aさんは、出来るまで時間を掛けて、しっかり描きました。多分、途中で上手くいかないことがたくさんあったと思いますが、最後まで修正して粘り強く取り組みました。この姿勢は、試験終了までぶれませんでした。
Bさんは、自分で時間を区切り、作業を繰り返しました。この方は、インターネットで、描き方を良く参考にしていたようです。背景には、勉強の塾にも行って成績を上げなければならない、デッサンの練習を出来るだけ効率良く上手くなりたい、というものがありました。
描けるようになるためには、まず目の前のモチーフや自分の実力に向き合うことが必要です。モチーフも自分の絵も丁寧に見る、丁寧に描く、ということが出来て初めて上達します。
転石が出来た切っ掛け
人の考え方というものには、大きな個人差があります。去年までマンツーマン指導だけでデッサンオンデマンドは運営していましたが、マンツーマンという閉じられた環境では、デッサンの考え方を理解していただくまでに、多くの時間を割かなければならないこともあります。この反省を踏まえて、美術やデッサンで必要とされることを予め共有していただくことが、転石という場を設けるきっかけです。
問題提起
ここからは、皆さんにも考えていただきます。ある方から「鉛筆を立てて、鉛筆の先を使うとか、何㎜くらいの幅で鉛筆を動かしているとか、その場で見ているような具体的な説明をお願いします。」とご要望がありました。完全マニュアル化した描き方を教えて下さいというものです。
これは、コンピューター・プログラムに近いと思います。このような教え方は、誰にでも出来る方法です。しかし、目の前のモチーフ、自分自身に向き合うことにはならないことが、お分かりになるでしょうか?これは技術であっても、美術なのでしょうか?
皆さんへの質問
誰もが、早く簡単に上手くなりたい、と思うかもしれません。しかし、早く簡単に上手くなる方法があるとしたら、それは誰にでも出来ることです。皆さんは、誰にでも出来ることを目指そうと思いますか?