遠近法の課題である立方体は、一辺の角度が少しズレただけで違和感を感じるものであること、このモチーフを描いたことのある人には、良く理解できると思います。それが3個、しかも色違いということで、このモチーフは(シンプルなモチーフですが)、技術的には難易度の高いものです。

このレベルになると、あまり間違えると、赤ペンが多くなり過ぎて解読が難しくなりますので、ある程度、自分で正確な判断が下せる段階にならないと、描き進めることが出来ないと思います。受験する大学対応に入る前の、基礎デッサンの締めとして、この課題を行ったことを記憶しています。

形だけではなく色も的確に捉えていて、ベージュと白という微妙な違いも上手く表現しています。タッチの使い方も、出過ぎず、引っ込み過ぎず、適度なバランスで面の張りを強調しています。角や接地部分など、面の極に対しても気を使い、隅々まで丁寧に描いています。縦に重ねた立方体同士の、辺の角度は特に難しく、微調整を繰り返していました。

このデッサンは、技術的に高いレベルをクリアーしたものです。