絵というものは、人に見てもらうためのものです。
言葉を使って、人に意思を伝えるように。

想像した、自分の世界を表現するためのもの、それは絵のとても大切な持ち味です。
しかし、絵が内向的で閉じたものである、というのは間違った解釈です。人との関わり、歴史や集団との関わり合いという関係の中で、絵は文化として根付いています。絵は確実に、外交的で開いたものでもあるのです。

絵というものは、一人で内向的に描くことが出来ます。ですから、そのような性格の人がするもの、と思う人が多いかもしれません。私は、そこにこだわっている限り、直ぐに限界に行きつくことに気が付きました。自分が作っていても、人の作品にアドバイスしていても、です。絵はコミュニケーションのためのもの、デッサンは伝えるための技術、その点はどなたにも踏まえていただきたい点です。

こうした考え方は、絵を描く人の心理にも大きく影響します。
内向的に閉じたものであるという考え方の人は、自分より上手い人がいると傷付きます。そして、プライドという壁を作りやすい。誰しも経験することだと思います。
思い切って、話しかけることが出来るか?それと同じように、下手だと思われるかもしれないけれど、思い切って自分の絵を人に見せることが出来るかどうか?これが、内向きから外向きになる第一歩です。

外に目が向けば、自分より上手い人がいると、その人を参考にしたくなります。自分の興味のあることを大切にし、どんどん吸収していこうとします。案外プライドにはこだわりません。それは、自分が成長して変わっていくことが、実感できるからだと思います。

この文章を参考に、内向的に閉じた人が、外交的に開いていこうとする切っ掛けが出来れば、幸いです。