デッサンオンデマンドで、どのように受験対策をしていったのかを具体的にわかっていただくために、受験レポートをまとめました。岡山県立大学 デザイン学部 工芸工業デザイン学科の、受験の思い出を振り返ってみました。

ご本人は、最初は、少しのんびりしていました。以前、画塾に通っていた当時の、デッサンを見せてもらいましたが、とにかく鉛筆を動かして塗る、それも明暗のグラデーションも遠近も面もなんとなくで、どんどん描く癖みたいなものが付いていました。

そこで始めたのが、細密描写でした。とにかく良く見て、丁寧に描くことを、心掛けてもらうためです。


「影だから暗い」と強引に塗ってしまいましたが、細かい模様を丹念に拾い、迫力のある作品になりました。この集中力を見せていただけたことで、力強いスタートは切れたと思いましたが、、、、。

デッサン基礎は、地味で面白く思えない課題がたくさんあります。多くの受験生もご多分に漏れないと思いますが、最初は気合が入らず、投稿頻度もぽつりぽつりといった感じでした。感想を書いてくれと頼んでいましたが、「描けました。」「出来ました。」と一言。

デッサン基礎は、「まとめて、やっつけてしまえ!」という感じでした。でも徹底できない部分が残り、形の正確さと遠近法については、試験直前まで上手くいかず、苦しんでいました。皆さん、基礎だからといって、舐めていたら痛い目にあいますので、お気を付けください。

そんなことをしている内に、試験まで一月になってしまいました。(この人は、試験が10月でした。)もう時間が無いので、モチーフをどんどん描いて、難易度を上げていく練習を続けました。その後、試験に即した、組み合わせモチーフを描く練習をしました。

本当に時間が無いので、ただ描くだけではなく、どこが上手くいっていないか、考えてまとめてもらいました。

〇形
水平垂直→紙の端と比べる。
補助線→直線の図形でとる。
ざっくりとれたら遠ざかって見る。
紙を逆さまにして見て歪みをみつける。
モチーフどうしの大きさを比較する。
モチーフの角度は垂直水平と比べて、真っ直ぐなものを当てる。
最初を形が一定描けたら陰を入れる。
陰はモチーフの面に沿って入れる。
高さには立体を意識して縦に陰のタッチを入れる。

〇色  
モチーフが軽いものは明るい。
重いものは暗い。
鉛筆の硬さの幅を広く使う。
タッチを重ねて色を濃くする。
練り消しで色を抑える。
全体のものの色を見て1番黒いもの、白いものを決めて明中暗の段階を分ける。

〇タッチ
面に沿わせる。凹んでいるのか膨らんでいるのか理解する。
円柱は端が回り込む。
直線と曲線を使い分ける。
タッチの層を重ねていく。
面では塗らない。
鉛筆は硬めを使う。鋭く細かい線を入れる。

〇空間
影のグラデーション→薄くなるほど細かく硬めの線を入れる。
濃さ段階で鉛筆の硬さ硬めていく。
反射光を練り消しで入れる。
影は水平に入れる。

〇質感
柔らかいもの→柔らかい鉛筆で曲線の短いタッチ多め。
光と陰の境がぼんやりする。光のあたりを練り消しで抑える。
硬いもの→硬い鉛筆で直線の長いタッチ多め。
光と陰の境がはっきりする。光は白く、まわりは暗くする。
金属は全体的に暗い、光は明るい。
ガラスは透明感に気をつけて暗くしすぎない。映り込みは丁寧に描く。

〇構図
モチーフ柔らかいもの→丸める,ふんわり置く。
タオルを畳むときは広げた形が四角形になるのを意識して遠近を気をつける。
硬いもの→角が見えるように置く、四角形なら4つの角が見えるようにする。
四角形は辺が画面の直線にならないようにする。奥が見えるように斜めに置く。
どのモチーフも実際の形が分かるように気をつける。
紙のサイズとモチーフのスケールを比べる。
全体のバランスを見て画面内にまとめる。
少し斜め上から見る。見下げすぎない。

〇遠近
奥に短く、手前に向けて広げる。
手前が大きく見える。
手前の色は濃くはっきり、奥は色薄くぼんやりさせる。

〇目線
姿勢を最初に固定する。
姿勢真っ直ぐ、動かない。
モチーフの重なりなどを決めた位置の目印にする。

〇立体感
奥行きを出す→色は奥薄くすることと構図は奥が見えるようにすることで出す。
遠近法で、奥は幅狭く短く小さく、手前は幅広く長く大きくする。

「描けました。」から、これだけ文章が増えたわけです。これだけ、色々なことが考えられるようになって、自分に対して厳しく見ることが出来るようになった!若い方は、とても伸びるということが、実感できました。試験直前でしたが、この頃の集中力は、すごいものがあったと思います。

ご本人は、試験が終わっても、勉強するスピードが落ちませんでした。なぜだか聞くと、「試験会場で周りを見回すと、上手い人ばかりだった。自分が画力が足りないことが分かって焦った。」と言っていました。皆さん、ご自分の将来のことです。勉強を始めるなら、早い方が良いと思います。それでも、発表日には、良いニュースを聞くことが出来ました。最後の方のパワーは、大したもんでした!