こちらは、実際に受講されている生徒さんとの、デッサン添削のドキュメントです。
1日目
生徒さん
トイレットペーパーのデッサンを始めました。モチーフの写真です。
生徒さん
色分けして形をとりつつあります。
袋にみっちりつまっていたせいで微妙に四角に歪んでいます笑
まだちゃんと形がとれてないのでこれから合わせていきます。
講師
拝見しました。
デッサンの方で、見比べてみて、ちょっと思った事は、
影と本体の間の「切れ込み」がどうして生まれたか?
もう一つは、トイレットペーパーの端ですね、最初に使う部分がまだ描かれていない?
細かい所が気になる性質でして、、、、。これだけ進んでいたら、描かれていても構わない気がしました。
生徒さん
コメントありがとうございます、やり方について確認できるので聞いていただけてよかったです。
切れ込みは下の楕円の形をとろうとするときに、陰と影の境界が分かりにくくなるので思いきって消してあわせてみています。
もっと形がそれっぽくなったら埋めようと思いましたが、暗い影の中の輪郭は影もちゃんと暗く塗って合わせた方がいいかもしれません、試行錯誤しています…
紙の開始部分は左下の形がそれらしくなって円柱感がもうちょっとちゃんとでたら追加しようかなと思っていました。全体のバランスを考えたらあんまり一ヶ所に集中せずに大まかに先に追加した方が良いでしょうか、なかなかその辺りのやり方を掴みきれていないような気がします。
講師
なるほど、良く分りました。
アタリを描く場合は、黒でする場合が多いですね。例えば、人物を描く場合、骨のチェックをしたところが濃い点になる。その方が、目立ちにくいので、全体から見比べ易い。
細部は、どれぐらいの段階から描き始めるか?これもモチーフによって変わります。細かい表情を持つモチーフは、早めに描きます。グラデーションの多いものは、ゆっくり鉛筆を重ねます。ですが、どちらも含んだモチーフが多いので、細部の描き込みとグラデーションの重ね方は、バランスを取ってタイミングを計ります。今回のトイレットペーパーは、そろそろ細部のアタリを取っていってもいいのでは?と思います。
2日目
生徒さん
ありがとうございます、勉強になります。特に影は暗いので暗いままアタリをとっていきます。
細部についても、ちょっと後回しにする癖があるかもしれません、はやめにアタリを取って全体として馴染むようにしていくよう気を付けてみます。
昨日の夜進めた分を投稿しておきます、今見返すとグラデーションに気をとられてシワを入れられてないなと思います。
講師
拝見しました。
問題はありません。
強いて言えば、上面と側面の差が、もっと付いてくると良いと思います。
生徒さん
ありがとうございます、上面はあの独特の隙間?の色の感じが出せればと思っています、
シワや隙間の模様なんかも追加して仕上げていきたいと思います。
3日目
生徒さん
ぼちぼちすすめています、だいたい全体ができてきたので、細かいところをやりつつあります。
紙の開始部分のヒラヒラした感じとシワの折れている感じを出していきたいところです。
上面は隙間のせいか右側面より暗い感じがします、もうちょっと工夫が必要そうです。
そしてついに通販でイーゼルが来ましたが、思った以上にデカいですね笑
運筆練習で慣れていこうと思いますが、最初は結構腕が疲れてきます笑
講師
拝見しました。
順調に進まれていますね。
問題は、何もございません。
「紙の開始部分のヒラヒラした感じとシワの折れている感じ」→一番薄い鉛筆、登場です。塗り方は、ソフトエッジを心がけ、紙の柔らかさを意識しましょう。
「上面は隙間のせいか右側面より暗い」→隙間の見える角度、注目してください。
「イーゼルが来ました」→でかい作品も作れますね!
「最初は結構腕が疲れてきます」→そうなんです!そのための筋肉付きますよ~
生徒さん
コメントありがとうございます、上面の隙間と紙の開始部分、注意しながらやってみます。
新しいものはテンション上がります、早く筋肉つけてイーゼルも使いこなして行きたいです笑
4日目
生徒さん
中心の筒、紙の開始部をちょっと修正、あとは表面のシワを描き込んでいます、上面の隙間の有り無しでの色の変化的なものはまだ手をいれられてません。
シワは手を入れてもなかなかそれっぽくならず難しいですね…
こういうシワを描いて柔らかい紙や布の感じを出したいところです。
なんだかちくわみたいな感じがするかも?しれないので…ちょっと横のタッチも入れて見ます。
講師
拝見しました。
順調に進んでいると思います。
「シワは手を入れてもなかなかそれっぽくならず難しい」→確かに難しいですね。境目が出ない鉛筆の重ね方=ソフトエッジということですが、どうしてもエッジを立てて、硬くなってしまう。
皺とか、紙の端の線をソフトエッジにするには、線の周りに、鉛筆を重ねてみましょう。
生徒さん
ありがとうございます、強い影や一部濃い部分が目についてどうもエッジを描いてしまいます
薄い鉛筆を線の周りに重ねてみます。
5日目
生徒さん
紙の開始部分のソフトエッジをグラデーションを意識しながら書き込み、影にタッチを追加、右側面の白さをちゃんと出したいので背景を暗くしてみました。
背景に注目するとトイレットペーパーは意外と黄色い気がしてきました。
上面も調整していきます。
手前側面のシワ(というかへこみ?)もソフトエッジを意識しながら追加していますが、やはり紙の感じは難しい!
表面は紙というよりペロッと剥がれそうな感じが…笑
進みかたゆっくりですがもうちょっと調整していきます。
講師
拝見しました。
随分出来てきましたね。上手く行っていると思います。
「紙というよりペロッと剥がれそうな感じ」→上面を描き込んで、紙の重なった存在感が出れば、解決する気がします。
「やはり紙の感じは難しい!」→薄くて、柔らかくて、ヘロヘロしている質感。タッチで描くとすれば、柔らかい鉛筆で、軽く持って、直線的ではないタッチで描く、でしょうか?
生徒さん
ありがとうございます、シワに気をとられて上面の描き込みが全然でした、言われてみれば前面が浮いてるように見えます、全体のバランス良くを意識してみます。
紙のタッチもありがとうございます、ヘロヘロなタッチ、薄い鉛筆、それの組み合わせなど、いろいろためしてみます。
こういう紙の感じをちゃんとかくというのはやってみたかったので、なかなかやりごたえあります笑
6日目
生徒さん
上面と右側面、背景を調整しています、上面はもうちょっと暗いかもしれません
しばらく全体を調整してみます
講師
拝見しました。
順調に進んでいます。
紙の質感も、出てきましたね。
最後のチェックポイントとしては、平面の上に立体が立ち上がるように、地面とトイレットペーパーのアウトラインを切り離していく、アウトラインのエッジを立てることに留意してみて下さい。
生徒さん
ありがとうございます。
明るいところのアウトラインがなんとももやっとしているように感じるので、明るい面と背景の差を意識しながら調節していければと思います
全体がうまくいったらシワも追及してみます
7日目
生徒さん
トイレットペーパーの白い感じを意識してアウトラインを少しはっきりさせてみました
あとは背景や底の部分、紙のしわなど全体的に調整し、一応完成です。
トイレットペーパーのずんぐりした感じ、開始部分のひらひらした感じ、表面のしわの凸凹の柔らかそうな感じなど描きたいなと思った点は色々ありますが、やはり難しいです笑
ずんぐり感とひらひら感はちょっとそれっぽくなったかな?と思います。
講師
拝見しました。
良く描けていますね。
「やはり難しいです笑」→もうちょっとだけ、してみませんか~
「表面のしわの凸凹の柔らかそうな感じ」→練り消しに鉛筆の黒鉛を付けて、少しだけ消せるように調整しておきます。その練り消しで、皺の暗い部分と明るい部分を、上からそっと押さえて少しだけ抜きます。その後、線の周りに、鉛筆を重ねてみましょう。
生徒さん
ありがとうございます、そんな技術が…!
さっそく試してみます、微妙な明暗の表現にチャレンジしてみます。
8日目 完成
生徒さん
練り消しの技を使い、線を重ねたり指で擦ったりしてエッジがたたないように注意して手直ししました
明るい部分が明るすぎたりエッジがたっているので、凸凹が切り込みにみえたりするのかもしれません
上から二段目のシワはちょっとずつそれっぽくなってきたようにも思いますが、一番したのシワがまだ微妙な感じがします、ちょっと明るすぎるのとエッジがうまく調整できてないのかもしれません
講師
拝見しました。
微調整が出来たせいで、皴の柔らかさがとても出たと思います。まだ直し足りないところもお感じになっているようですが、もう充分だと思います。ここらで終了ということに致しましょう。
テクニックというものは、比較的早く身に付くものですが、目というものが出来てくるのは時間がかかります。現段階で柔らかい紙の表情を完璧にするのではなく、長い目で見ていきましょう。また、加えるということより、引く方が意外と難しいのです。これからいろいろなモチーフを描いて行きますので、上達したのち、また見直してみるのもいいかも知れません。
生徒さん
ありがとうございます、紙の質感を出すのはやってみたいと思っていましたが、非常にエネルギーを使う作業ですね…
練り消しの使い方やヘロヘロなタッチなど、色々教えてもらった技術を試してみて、微妙なエッジやグラデーションについて成長した気がします
>>加えるということより、引く方が以外と難しいのです。
モチーフの雰囲気を保ったまま、どこまで細かいところを描き込むか、というイメージでしょうか…良くわかって無いので、色々と描いていく上で身につけて行ければと思います。