はい、上がります。白黒デッサンでも、色を明暗に置き換える訓練を行います。また、白黒のグラデーションに、色を感じる世界があります。水墨画に色を感じるのなら、それは確かな感覚であり、白黒でも色彩感覚は、研ぎ澄まされるはずです。

一方、色だけの世界は、私の経験では自由過ぎて、とても難しかった。色の世界は、マニュアルが通用しないセンスの世界に感じ、実際に色を試して、色の響き合いを模索して、足掻きました。空は空色、緑は緑色は通用しない、色彩基礎知識があっても通用しない。経験則の中で、自分の好きな色を編み出していくのだと思います。

余りにも多くのことを一遍に取り入れると消化しきれない、だから可能性を絞って考える、だからデッサンは白黒に絞って練習していくのではと推測しています。白黒だけでも、形、光、明暗、立体感や空間、質感など、たくさんのことを勉強をすることになります。ただ、アートの世界では、まず色彩に触れるところから始まるものもたくさんあります。デッサンをしているからと言って、色彩感覚を養う経験を、後回しにする必要はないと思います。色彩と戯れる体験も、同時にしていくことをお勧めします。