「上手さ」から人間力へ

美術は、個人の感性の世界。
それぞれが良いと思うものを表現することが、基本としてあります。

しかし、多くの人が「上手さ」を求めて、デッサンを習いに来ます。
それは、なぜでしょうか?
自分の作品が、他の人にも良いものとして伝わり、他の人の共感は得るためには「上手さ」が求められると、多くの人が考えるからです。

しかし、上手い作品だとしても、良い作品とは言えない場合もあります。「上手さ」には漠然としたイメージしかありません。
そのような漠然としたイメージを求めて、デッサンの練習をしている人の多くが、「思っていたのと違う」経験をすることで、練習を続けることが難しくなることが多いと思っています。

「上手さ」を具体的に表すと

●集中力を持続できる
●手先が器用である
●色、明暗、形の、微妙な違いを見分けることが出来る
●自分のデッサンを分析し総合的判断をする力を持っている
●タッチや塗りで、自己表現する力がある
●更に、良いものや新しいものを求める、チャレンジング・スピリットがある
●現実や、存在というものを受け止める感受性がある

これらは、人間力と重なります。
漠然と考えていた「上手さ」が、技術という単純なものではなく、すべて自分の力として突き付けられ、厳しく感じられる向きもあることでしょう。しかし、人間力という切り口によって、それぞれの課題の目的を具体的にイメージしやすいため、現実的に、粘り強く取り組むことが可能になります。