本格的に絵を学び始めた時から数えて、30年を超えました。
2浪し、東京芸術大学で榎倉康二といういい先生に出会って博士課程修了まで行き、画塾の講師になり、教職免許を取得し、専門学校で講師をし、私塾を開き、、、。都市で暮らしたり地方で暮らしたり、色々な経験をしました。山あり谷ありの美術人生です。

新たな試みとして、「熱血!デッサン塾」という無料サイトを立ち上げて、丸3年立ちました。切っ掛けとしては、デッサンというもの、美術というものの理解が進んでいないように思えたからです。ネット上では、簡単に直ぐ確実に上手くなる!そんなキャッチばかりが目立っていました。現場では、決してそんなことはありません。とても違和感がありました。そういう訳で、現場から正直に発言しようと思い立ったわけです。

熱血!デッサン塾は、無料でデッサン添削を行っています。そのためか気軽に投稿していただける?皆さんの背景は、実に様々です。諸事情で画塾や美大に通えない環境にある方も、たくさんいらっしゃる。また漫画イラスト指向の人も、たくさんいらっしゃる。ここでは、アカデミズムは通用しません。かといって、その場での出会い、それも文字だけのコミュニケーションですから、現場の声をストレートに言うのは、緊張感が有ります。どのように伝わってるか、リアルにわからないですから。無料だからといって、無責任な発言は出来ませんので大変です。「熱血!デッサン塾」で、様々な出会いが出来たことは良い経験でしたが、その人の背景を更に知ることも出来ないし、一過性のお付き合いになることも多いので、次に繋がることは残念ながら多くはありません。それを補っていくために、「デッサンオンデマンド」が生まれました。

テクノロジーの発展も、それを助けてくれました。上手くなっていただくためには、人それぞれの得手不得手や目的に合わせて、方法を考えなければならない、そのために密にコミュニケーションしなければならない。これは間違いないことだと思います。今までの通信制では、システム重視、教材有りき、コミュニケーションは一方通行ですから、対面式マンツーマンの現場とは大きなギャップがあります。最近はインターネットを介して、気軽に画像や映像の多くを鑑賞したり投稿したり出来るようになりましたので、それを利用すれば密なコミュニケーションが取れるかもしれない、現場で出来たことがかなり出来るようになるかもしれない、そう思いました。

しかし、便利さと引き換えに失うものもあります。ネット通信講座の、解決すべき課題は次々と出てきます。
描き手の心理を見抜けるか?ツボを探り当てることが出来るか?モチベーションを維持してもらえるか?踏み込んだアドバイスが上手く伝わるか?ネットで信頼を結べるか?コピーやトレースを防ぐことは出来るか?難題だらけです。しかしシンプルに考えます。結局、文化芸術は人から人へ手渡しするようなもの、馬鹿正直にこちらから熱意を発する、それしか出来ることはないように思います。手応えは、確かに有ります。 

代表: 歳森勲 (美術家)



デッサンオンデマンド