自転車に、最初に乗れた時、どうでしたか?思い出してみてください。
またこけるのかな?という不安と共に、集中して周りが見えず自転車と自分だけだった。
乗れた瞬間ぱっと周りが開けて、一気に世界が広がった気がした。
(その後、勢いよくコケることもあります。)

実技系は、よく似たところが有ると思います。デッサンもそうです。
やはり自分の可能性を広げたい、自分の世界を広げたい、皆さんそう思われるでしょう。
だから自分が、手を動かして、実感する、これ以上でも以下でもない世界。
指導する側もやはり、自分がそうしてきた経験を元にアドバイスするしかない。

だから、自分の中に判断基準を持ちましょう。
間違っていてもいいです。経験とともに、それは変化していきます。

描けないところがあるなら、自分で理由を考えてみて下さい。
描けたところも、やはり理由を考えて見ると良いと思います。
「こういう理由で描けていない。」→「こういう見方で描けばいい。」というアドバイスは響きます。
アドバイスが先ではなく、判断が先の方が良い理由は、自分が主体になるからです。
アドバイスが先だと、ご本人の実感が薄いことは、経験上言えるようです。
自転車に乗るためには、自分で漕ぐ力は必要なのです。

例えば「こういう方法でやれば、絶対!うまく行く。」というキャッチコピーはよく見かけます。
頼もしいですね。でも、考えてみてください。
それはあなたの世界ですか?あなたはあなたでいられますか?
自分の力で自転車を漕いで、好きなところに行けるようになるのとは、少し違う気がします。