クリエイティブの世界には、職能訓練や基礎が必要という認識が薄れてきたように実感しています。デッサンとは、西洋の伝統に基づく基礎訓練です。明暗や形を捉え描く力を付ける以上に、絵の根源的な要素である立体感や空間を理解し、そのものの成り立ち「構造」を理解する判断力を養います。職人のように、手を使い道具に触れ、地味で忍耐強い作業を繰り返すこともあります。
だからか、デッサンは地味で修業的イメージがあります。難しそう、めんどくさい、受験で必要だからする、などのマイナスイメージがあるため、実際に行うと必ずしもそうではないのですが、行うまでのハードルを高くしています。
ですがら、デッサン検定という具体的な手段を講じました。導入して一年、目標が分かり易くはっきりしているので、初歩の方で熱心に取り組む方が増えてきたようです。
※この記事は、リアル絵画教室「百工房アートスペース」で、デッサン検定という制度を開発実施した時のものです。デッサン検定は、その後、デッサンオンデマンド・デッサンコースの課題へと引き継がれました。